すごい。
著者は某夢組織に拉致られて
監禁・拷問されたりしなかったのかと心配になる。
たとえば「T県にある広大なテーマパーク」
なんて書き方でなく、がっつり「ディズニーランド」と書かれている。
そこの大スター様はもちろんミッ…、いや
例のネズミ型キャラクターだが、
個人的にあの魅力がちっとも分からない。
オッサンなのか子どもなのかよく分からないキャラ立ちなのに、、
恵まれたボンボンだという雰囲気だけはよくわかる。
ショーやパレードで何千人という来場者を煽り、
それを手中で操るラスボス感が怖い。
自分が園児くらいの年齢だったら、多分その場で泣いてる。
しかもこのネズミには、不可侵のお約束がある。
「中の人などいない」のである。
社長のヅラを社員が誰もツッコまないのに似ている。(似てないよ)
コレに触れた者は出禁になるとか解雇になるとか、
まことしやかな噂まである。
が、この本はすごい。(大事なことなので2度言う)
着ぐる、いや中のひと、いやいやいや
とにかく禁止事項をバンバンだした物語なのだ。
パンピーの自分でも迂闊にこの件に触れると
ドアのチャイムが鳴りそうで恐ろしいのに、勇者である。
主人公は21歳。
オリエンタルワールド(ここだけ実名じゃないのがまた)の派遣、
すなわちディズニーランドのキャスト(=スタッフ)となり、
期待に胸を膨らませていた。
夢のテーマパークで働くなんて、どんな楽しい毎日が待っているんだろう、と。
が、仕事は思っていたモノとは違うし、
社員は「正社員」と「準社員」という溝を挟んでギスギスしている。
オマケにパレードのミッキーとショーのミッキーとが、仲違いしている。
え?ミッキーは世界に1人だけですと?
え、ええ、そそそうですとも、仰る通りですとも。(ドアを振り返る)
そんな中、大変な事件が勃発してしまう。
なんとショー用のミッキーの着ぐるみが紛失してしまうのだ。
イエ、中の人なんかいないけどね!(ドキドキ)
とにかくナニがナニして、バイト女子が疑われるわ、
ナニの2人の仲が一層険悪になるわで、もう内部は大騒ぎ。
書いてる自分も大騒ぎさ!(ドアを振り返り)
結末は読んでいただくとして、
確かにネットなんかで目にするキャストの仕事は、
ラスボスネズミの偶像崇拝より、余程夢があるように思うのだ。
多少誇張はあるのかもしれないが、
半分は「やさしさ」で出来ているような、そんな夢の世界が。
まぁこの本も、この辺でギリOKが出たのかなと思ったり。
もしも、仮に、万が一ミッキーが着ぐるみでも、
そこには素敵なモノが詰まってるんですよ的な。
むしろ自分的には、このミッキーは素直に好きだわ。
笑顔で銃を突き付けて「金落としてけ」っつってるような
あのパないキャラクターたちの迫力に比べたら
おやこんな時間にチャイムが
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