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あんなに待ちわびた再会だったのに、こんなに涙が出るとは思わなかった。もちろんフレーヴィアのことではないわ。だって彼女は正真正銘ド・ルース家の人間!人前で泣いたりしないするわけがない!ということは……。
あんなに待ちわびた再会だったのに、こんなに涙が出るとは思わなかった。
ううん。違うの。フレーヴィアのことではないわ。
だって彼女は母ハリエットに生き写し正真正銘ド・ルース家の人間だもの。
人前で泣いたりしないするわけがないじゃない?
恥ずかしながら歯医者の待合室で思わずこぼれた涙に大慌てしたのは私。
だってフレーヴィアったらめちゃくちゃけなげなんだもの!
まさかとは思うけれど、
もしあなたがまだフレーヴィアと知り合いになっていないのならば、
悪いことはいわないわ。
この本からではなく、
ぜひぜひシリーズの最初に遡って、
11歳になりたての彼女に会ってきて欲しい。
そしてあなたに知って欲しい。
彼女がどんな境遇で
どんなに化学を愛しているか
どんなに好奇心旺盛で
どんなに勇気があって
そしてどんなに寂しがり屋かも。
シリーズ6作目に当たる今回は
彼女がまだ物心もつかないうちに
ヒマラヤで遭難して行方知れずになっていた母ハリエットが
10年ぶりに帰ってくるシーンで幕を開ける。
フレーヴィアは母のため
母を愛してやまない父のため
そして自分自身のために
一世一代の大実験を試みる決意を固めるのが
その過程でとんでもない事実に向き合うはめに?!
謎はもちろん死体もあるし、
警部や探偵も出てくれば、悪役だって登場する。
でもこのシリーズの読みどころは謎ときではない。
そうこれは、化学が大好きなちょっぴり変わった女の子の心と向き合う物語。
全編にわたって徹底してフレーヴィアの視点で描かれているので
フレーヴィアが知らないことは読者もしらないし、
登場人物に対する印象は
差し引き勘定は必要だとしても彼女の評価に頼るしかない。
だからこそ、彼女と一緒に驚き、彼女と一緒に泣き笑い、
良くも悪くも彼女と一緒に衝撃を受けるのだ。
シリーズ6作目の本作では、ド・ルース家に試練の時が訪れる。
フレーヴィアにとっても大きな転換期となる物語だ。
今までのようにフレーヴィアのしかける巧妙なあれこれにニヤニヤしながらも
天才少女が併せ持つ、ある面では幼すぎるほどの幼さにハラハラする……
という展開ではなく
フレーヴィアの気持ちを思って思わず涙が溢れてしまうこともしばしば。
どうやらシリーズも折り返し地点を迎えた様だが
あるいはこの先もうあのあどけない少女には会えないのかも知れないと思うぐらい
グンと大人になることを余儀なくされたフレーヴィアが
どんなレディになっていくのか、次作もやっぱり目が離せない。
<化学大好き少女探偵フレーヴィアシリーズ既刊作品>
・パイは小さな秘密を運ぶ
・人形遣いと絞首台
・水晶玉は嘘をつく?
・サンタクロースは雪のなか
・春にはすべての謎が解ける
ううん。違うの。フレーヴィアのことではないわ。
だって彼女は母ハリエットに生き写し正真正銘ド・ルース家の人間だもの。
人前で泣いたりしないするわけがないじゃない?
恥ずかしながら歯医者の待合室で思わずこぼれた涙に大慌てしたのは私。
だってフレーヴィアったらめちゃくちゃけなげなんだもの!
まさかとは思うけれど、
もしあなたがまだフレーヴィアと知り合いになっていないのならば、
悪いことはいわないわ。
この本からではなく、
ぜひぜひシリーズの最初に遡って、
11歳になりたての彼女に会ってきて欲しい。
そしてあなたに知って欲しい。
彼女がどんな境遇で
どんなに化学を愛しているか
どんなに好奇心旺盛で
どんなに勇気があって
そしてどんなに寂しがり屋かも。
シリーズ6作目に当たる今回は
彼女がまだ物心もつかないうちに
ヒマラヤで遭難して行方知れずになっていた母ハリエットが
10年ぶりに帰ってくるシーンで幕を開ける。
フレーヴィアは母のため
母を愛してやまない父のため
そして自分自身のために
一世一代の大実験を試みる決意を固めるのが
その過程でとんでもない事実に向き合うはめに?!
謎はもちろん死体もあるし、
警部や探偵も出てくれば、悪役だって登場する。
でもこのシリーズの読みどころは謎ときではない。
そうこれは、化学が大好きなちょっぴり変わった女の子の心と向き合う物語。
全編にわたって徹底してフレーヴィアの視点で描かれているので
フレーヴィアが知らないことは読者もしらないし、
登場人物に対する印象は
差し引き勘定は必要だとしても彼女の評価に頼るしかない。
だからこそ、彼女と一緒に驚き、彼女と一緒に泣き笑い、
良くも悪くも彼女と一緒に衝撃を受けるのだ。
シリーズ6作目の本作では、ド・ルース家に試練の時が訪れる。
フレーヴィアにとっても大きな転換期となる物語だ。
今までのようにフレーヴィアのしかける巧妙なあれこれにニヤニヤしながらも
天才少女が併せ持つ、ある面では幼すぎるほどの幼さにハラハラする……
という展開ではなく
フレーヴィアの気持ちを思って思わず涙が溢れてしまうこともしばしば。
どうやらシリーズも折り返し地点を迎えた様だが
あるいはこの先もうあのあどけない少女には会えないのかも知れないと思うぐらい
グンと大人になることを余儀なくされたフレーヴィアが
どんなレディになっていくのか、次作もやっぱり目が離せない。
<化学大好き少女探偵フレーヴィアシリーズ既刊作品>
・パイは小さな秘密を運ぶ
・人形遣いと絞首台
・水晶玉は嘘をつく?
・サンタクロースは雪のなか
・春にはすべての謎が解ける
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:368
- ISBN:9784488136079
- 発売日:2015年11月21日
- 価格:1404円
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