あかつきさん
レビュアー:
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明かり窓で切り取られた四月の空はトルコ石。月の映える研ぎ澄まされた空は天河石。
京都の恵文社で一目惚れした本。
宮澤賢治は、比喩表現に多くの鉱物を用いました。
しかし、彼独特の言語感覚と拘りで持って選ばれた鉱物たちは、それ故に私たちには馴染みがなくイメージしにくい……。
そんな物言わぬ石たちを、宮澤賢治のイメージによる解釈と鉱物学的な解説を美しい写真とともに記した本。
池澤夏樹が
本自体が貴石のような味わいです。
ただ「そら」の表現だけでも、賢治は
明かり窓で切り取られた四月の空はーートルコ石。
西域の悲しみをたたえた聖なる天空はーー瑠璃。
月の映える研ぎ澄まされた空はーー天河石。
明けそめていく空の色はーー薔薇輝石。
白々しい薄曇り空の色はーー海泡石。
陽光溢れる春の空はーー孔雀石。
明け方の冷たき空はーー琥珀。
暮れやらぬ空はーー黄水晶。
爽やかな夜はーー藍晶石。
火雲の夕はーー赤瑪瑙。
そして空に浮かぶ柔らかな雲はーー蛋白石。
と、様々な貴石を用いて使い分けます。
なぜ、その情景にその石を当てはめたのか?
石に込められた賢治の心象とは?
まさに、「宮澤賢治が見ているものを、彼の肩越しに見るような」本。
鉱石を愛する人、賢治に魅せられた人にお勧めの、一冊。
石と賢治のめくるめくイメージに酔い痴れます。
宮澤賢治は、比喩表現に多くの鉱物を用いました。
しかし、彼独特の言語感覚と拘りで持って選ばれた鉱物たちは、それ故に私たちには馴染みがなくイメージしにくい……。
そんな物言わぬ石たちを、宮澤賢治のイメージによる解釈と鉱物学的な解説を美しい写真とともに記した本。
池澤夏樹が
「鉱物に魅せられた宮澤賢治が見ているものを、彼の肩越しに見るような思い。と帯を美しい言葉で装っていますが、まさにその通り。
詩と科学のもっとも美しい結合」
本自体が貴石のような味わいです。
ただ「そら」の表現だけでも、賢治は
明かり窓で切り取られた四月の空はーートルコ石。
西域の悲しみをたたえた聖なる天空はーー瑠璃。
月の映える研ぎ澄まされた空はーー天河石。
明けそめていく空の色はーー薔薇輝石。
白々しい薄曇り空の色はーー海泡石。
陽光溢れる春の空はーー孔雀石。
明け方の冷たき空はーー琥珀。
暮れやらぬ空はーー黄水晶。
爽やかな夜はーー藍晶石。
火雲の夕はーー赤瑪瑙。
そして空に浮かぶ柔らかな雲はーー蛋白石。
と、様々な貴石を用いて使い分けます。
なぜ、その情景にその石を当てはめたのか?
石に込められた賢治の心象とは?
まさに、「宮澤賢治が見ているものを、彼の肩越しに見るような」本。
鉱石を愛する人、賢治に魅せられた人にお勧めの、一冊。
石と賢治のめくるめくイメージに酔い痴れます。
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色々世界がひっくり返って読書との距離を測り中.往きて還るかは神の味噌汁.「セミンゴの会」会員No1214.別名焼き粉とも.読書は背徳の蜜の味.毒を喰らわば根元まで.
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- 出版社:工作舎
- ページ数:272
- ISBN:9784875024385
- 発売日:2011年07月23日
- 価格:3456円
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