はるほんさん
レビュアー:
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さあみんな皆川女王様の下僕とおなりっ!!!(ぴしっ!)
実は皆川さん初読。
幻想小説一人者の評価に違わぬ、なんとも不思議な小説だった。
18編の短編集だが、今回は1話1話の要約は書かない。
というより書けないというべきだろうか。
「要するに」とまとめるにはあまりに掴みどころがなく、
捻じれた話筋と千切れた結末は説明し難い。
不条理小説に近いものがあり、個人的にソッチ系は好きなのだが
今まで読んだ中でもその不条理さが際立っている。
が、「訳わからんわ!」と放り出すような意味ではなく
むしろ高尚な世界へと誘われたような「極み」というか
思わず読み込まされてしまうような力がある。
女王様の風格だ。
「女王様とお呼びっ!」などと品の無いことは言いたくないが(なら書くな)
思わず「本を読ませていただいてますっ!」と跪きそうになる。
なんというか、確かに読んでて「?」となるのだが
その匙加減が絶妙と言うか、サド加減が絶妙っつーか。
なんか分かりそうで分からない、凄い針の隙間を突いてくる感じ。
女王様からチラチラとヒントを見せられているのだが
嗚呼、ワタクシメのオツムが悪いので分からないのでありませう、
ワタクシメをお許しくださいませ的な
皆川ワールドの下僕に成り下がってしまうのだ。
いえ、Mの気はありません。(´・ω・`)キッパリ
それくらい話の魅力と、読もうとさせる魔力が絶妙。
分からないんだけど、それが低評価には繋がらない。
お釈迦様の掌で弄ばれてる気分である。
例えば作品の1つをあげてみよう。
本書の中では何となく「心臓売り」がぺっちょりと心に残った。
意味は金魚売りや竿竹屋や豆腐屋と同じく、
季節になると往来で心臓売るに来るので、心臓売りである。
が、別にホラーではないしグロでもない。
主人公の少女はお小遣いを溜め、「しんぞうひとつちょうだい!」的に
心臓売りから心臓を買うという牧歌的な風味すらある。
だが話の奥には「生存願望」「自殺願望」の2つが揺れていて
思った以上に深いというか、しょっぱい。
だが心臓の手触りにじっと目を閉じている少女に、
不思議と気味悪さより、奇妙な切なさを感じてしまう。
文字の向こうでじわじわ操られている感。
全ては恐らく、女王様のお召しのままだ。
分からなくともきっと同じところに落とし込まれそうな
不可侵の高潔な美意識が読者を誘う。
もう数冊読みたいので評価は★3つとしたが
うん、何とも不思議な力を内包した作品だと言うよりほかない。
幻想小説一人者の評価に違わぬ、なんとも不思議な小説だった。
18編の短編集だが、今回は1話1話の要約は書かない。
というより書けないというべきだろうか。
「要するに」とまとめるにはあまりに掴みどころがなく、
捻じれた話筋と千切れた結末は説明し難い。
不条理小説に近いものがあり、個人的にソッチ系は好きなのだが
今まで読んだ中でもその不条理さが際立っている。
が、「訳わからんわ!」と放り出すような意味ではなく
むしろ高尚な世界へと誘われたような「極み」というか
思わず読み込まされてしまうような力がある。
女王様の風格だ。
「女王様とお呼びっ!」などと品の無いことは言いたくないが(なら書くな)
思わず「本を読ませていただいてますっ!」と跪きそうになる。
なんというか、確かに読んでて「?」となるのだが
その匙加減が絶妙と言うか、サド加減が絶妙っつーか。
なんか分かりそうで分からない、凄い針の隙間を突いてくる感じ。
女王様からチラチラとヒントを見せられているのだが
嗚呼、ワタクシメのオツムが悪いので分からないのでありませう、
ワタクシメをお許しくださいませ的な
皆川ワールドの下僕に成り下がってしまうのだ。
いえ、Mの気はありません。(´・ω・`)キッパリ
それくらい話の魅力と、読もうとさせる魔力が絶妙。
分からないんだけど、それが低評価には繋がらない。
お釈迦様の掌で弄ばれてる気分である。
例えば作品の1つをあげてみよう。
本書の中では何となく「心臓売り」がぺっちょりと心に残った。
意味は金魚売りや竿竹屋や豆腐屋と同じく、
季節になると往来で心臓売るに来るので、心臓売りである。
が、別にホラーではないしグロでもない。
主人公の少女はお小遣いを溜め、「しんぞうひとつちょうだい!」的に
心臓売りから心臓を買うという牧歌的な風味すらある。
だが話の奥には「生存願望」「自殺願望」の2つが揺れていて
思った以上に深いというか、しょっぱい。
だが心臓の手触りにじっと目を閉じている少女に、
不思議と気味悪さより、奇妙な切なさを感じてしまう。
文字の向こうでじわじわ操られている感。
全ては恐らく、女王様のお召しのままだ。
分からなくともきっと同じところに落とし込まれそうな
不可侵の高潔な美意識が読者を誘う。
もう数冊読みたいので評価は★3つとしたが
うん、何とも不思議な力を内包した作品だと言うよりほかない。
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歴史・時代物・文学に傾きがちな読書層。
読んだ本を掘り下げている内に妙な場所に着地する評が多いですが
おおむね本人は真面目に書いてマス。
年中歴史・文豪・宗教ブーム。滋賀偏愛。
現在クマー、谷崎、怨霊、老人もブーム中
徳川家茂・平安時代・暗号・辞書編纂物語・電車旅行記等の本も探し中。
秋口に無職になる予定で、就活中。
なかなかこちらに来る時間が取れないっす…。
2018.8.21
この書評へのコメント

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- 出版社:東京創元社
- ページ数:384
- ISBN:9784488441036
- 発売日:2013年11月28日
- 価格:966円
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