ぷるーとさん
レビュアー:
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アメリカ移民家族の始まりを描いた、心温まる絵本。
骨董屋をしているひいおじいちゃんの部屋には、いろんな古いものがいっぱい。
ひいおじいちゃんに好きなものはどれかなときかれて、手に取ったのは、大きな古い葉巻の箱。中には、小さいマッチ箱がびっしりと詰まっている。
ひいおじいちゃんは、一つ一つのマッチ箱をそっと開いてみせる。
最初の箱には、干からびたオリーブの種。それは、ひいおじいちゃんがまだ子どもだったころ、故郷のイタリア、貧しかった暮らしの中で、おなかが空いたときになめるようにとかあさんがくれたもの。
出稼ぎ先のアメリカから送られてきた、父さんの写真。
一家でアメリカに渡った時の船の切符。船の中で拾ったボタン。
アメリカについて、働き始めた缶詰工場の魚の骨。道路に書いて必死で覚えた文字、その時使っていた石炭のかけら。
貧しいイタリアからアメリカに渡ってきた少年の、思い出の品々。
びっしりと並んだマッチ箱の一つ一つに、言い表せないほどの苦しみ、辛さ、みじめさがあり、ほんの少しの喜びがある。字も書けなかった少年が、自分の過去をしっかりと記憶にとどめておくために大切にしてきたものたち。家族の始まりの物語は、いつも、こんな風に始まる。
古いアルバムを開いたような、モノクロの映画を見ているような、色あせた雰囲気の、温かみのある絵も、たまらなくいい。
ひいおじいちゃんに好きなものはどれかなときかれて、手に取ったのは、大きな古い葉巻の箱。中には、小さいマッチ箱がびっしりと詰まっている。
ひいおじいちゃんは、一つ一つのマッチ箱をそっと開いてみせる。
最初の箱には、干からびたオリーブの種。それは、ひいおじいちゃんがまだ子どもだったころ、故郷のイタリア、貧しかった暮らしの中で、おなかが空いたときになめるようにとかあさんがくれたもの。
出稼ぎ先のアメリカから送られてきた、父さんの写真。
一家でアメリカに渡った時の船の切符。船の中で拾ったボタン。
アメリカについて、働き始めた缶詰工場の魚の骨。道路に書いて必死で覚えた文字、その時使っていた石炭のかけら。
貧しいイタリアからアメリカに渡ってきた少年の、思い出の品々。
びっしりと並んだマッチ箱の一つ一つに、言い表せないほどの苦しみ、辛さ、みじめさがあり、ほんの少しの喜びがある。字も書けなかった少年が、自分の過去をしっかりと記憶にとどめておくために大切にしてきたものたち。家族の始まりの物語は、いつも、こんな風に始まる。
古いアルバムを開いたような、モノクロの映画を見ているような、色あせた雰囲気の、温かみのある絵も、たまらなくいい。
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ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
よろしくお願いします。
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- 出版社:BL出版
- ページ数:0
- ISBN:9784776406051
- 発売日:2013年08月01日
- 価格:1680円
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