Kuraraさん
レビュアー:
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この結末に出合えるのなら、何があってもくじけない!
瞳が若干ハート形になって本を閉じた・・・。
そんな私の様子からこの小説のラストがどんなだったか、
読み取ってください(笑)
とは言え、前半はうんざりするほど、鬱々とした場面が続く。
ヴァランシーは内気で暗い29歳の独身女。
貧しい家庭で、支配的で過干渉の母親や、体裁を気にし、
何かとオールドミスとヴァランシーに口うるさい一族。
来る日も来る日も閉ざされた空間に閉じ込められているような雰囲気と、
やかましい一族の言動にうんざりしながら話は進む。
彼女はジョン・フォスターの本を読むことだけを楽しみに
生きていたのです。
そんな彼女は胸を患ったようで医者に診てもらう。
後日、医者からもう長くはないという余命宣告の手紙が届く。
そうであるのなら・・・
と、彼女はこの鬱々とした生活から抜け出し、
自分の思い通りに生きようと家を出て、
病気がちの娘の居る家へ女中として住み込みで働くようなる。
誰かに必要とされる喜びを知り、彼女の生活はこれまでにない
生き生きとしたものに生まれ変わる。
やがて、バーニィ・スネイスと出会い、恋に落ちるのだが・・・。
彼は前科者という噂があるにも関わらず、ヴァランシーは
自分の余命の話を彼にして、結婚を申し込んでしまう。
ヴァランシー、とんでもない人に同情を買わせ結婚!?
さて、そんな心配をよそにヴァランシーが結婚してからのシーンは、
かなーりうっとり(笑)
それはそれは美しい自然環境に身をおくふたりの様子に、
ただただ指をくわえてしまう。
また、今までヴァランシーを馬鹿にしていた一族に対しての
彼女の毅然とした態度にも胸がスカッとしてくる。
しかしモンゴメリ、そんな単純なストーリーでは終わらせません。
まだまだ二転三転と話は動き、最後の最後まで行く先が見えてきません。
だってねぇ、結婚相手は前科があるらしいし、
ヴァランシーの病気も気になります。
この物語は彼女の変化とともに、読書ペースもグングン上がって行きました。
自由のなかった彼女の心の重い荷物がどんどん軽くなっていくことによって、
読者のモヤモヤした気持ちも取り除かれるからでしょうか。
後半は自分でも笑ってしまうくらい読むのが速かった!
前半はじゅくじゅくしたシーンの連続で、気が滅入ってしまったのですが、
どうか、どうか、中盤まで我慢してください!
ベタな話だけれどそこにひとひねり!の、大人のロマンス。
ふぅあぁああ~~と、シーンを回想しては、またうっとり(笑)
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ジャンルを問わず、年間200冊を目標に読書をしています。
「たしかあの人が、あんなことを言っていたな…」というような、うっすら記憶に残る書評を書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
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